全身性強皮症 不整脈原性右室心筋症 心室頻拍(植込型除細動器移植術後)による事後重症請求で障害基礎年金2級。年間78万円の受給事例
- 年齢
- 女性(40代)/無職
- 傷病名
- 全身性強皮症 不整脈原性右室心筋症 心室頻拍(植込型除細動器移植術後)
- 決定した年金種類と等級
- 障害基礎年金2級
- 受給額
- 約78万円/年額 事後重症請求
相談者の状況
ご本人のご主人からメールで問い合わせがありました。妻が数年前から全身強皮症を患っていたが、その後症状が悪化し、現在では心臓も悪くなり、不整脈から右室心筋症にかかり、最近ICD(植込型除細動器)を入れたとのことでした。自身で障害年金のことを調べたが、妻は専業主婦だったため、初診日は国民年金で障害年金を受給するには2級以上でないと難しいということもご存じのようでした。この場合、障害年金を受給できるかどうか教えて欲しいということでしたので、当センターの無料相談会に来ていただくことになりました。
当センターによるサポート内容
ご主人からヒアリングをしたところ、数年前に発症した強皮症の原因で心臓が悪化し、ICD(植込型除細動器)を入れたということでした。認定基準から、ICDの植込みだけでは3級相当だったため、強皮症の初診日を初診とし、全身強皮症の病状と心臓の病状の両方の診断書を出すことにしました。診断書を依頼する際には、日常生活状況や病状が反映されるように書類を添付しました。「病歴・就労状況等申立書」は日常生活や病状、困っていることなどをご主人より細かく聞き出し作成しました。
結果
障害基礎年金2級、年間78万円の受給になりました(認定日受給)。
ポイント
全身強皮症でかかっている皮膚科の主治医からは、心臓悪化は強皮症と因果関係があるとの見解でしたが、心臓でかかっている循環器内科の主治医は因果関係は不明との見解だったため、心臓の診断書の初診日は、循環器内科を受診した日が初診日となっていました。審査の過程で、強皮症と心臓の初診日は異なり、まずは心臓でICDを入れた日が認定日とされ、障害基礎年金2級。その後全身強皮症と併合されて2級という結果になりました。心臓ではICD植込みだけでは3級ですが、ほかの検査結果も悪かったため、2級になりました。また全身強皮症も病状は重かったですが、心臓よりも前発の発病だったため、2級+2級=1級の併合にはなりませんでした。2つ以上の傷病がある場合、各々の傷病の因果関係の確認は重要ですが、主治医の意見も異なっていることもあり注意が必要になります。